Oddyテスト、やってみた

みなさま、こんにちは。暗素研のサクライです。

今回は、美術館や博物館での展示室の内装やショーケースへの使用可否を決める、Oddyテストなるものを自分たちでやってみた、というお話です。

 

黒い製品群はいろいろなところで使用いただいております

われわれの黒い製品群は、現在様々な業界で使っていただいております。例えば、アートで使っていただいたり、宇宙開発に使っていただいたり、光学機器に使っていただいたり、本当に様々な用途で引き合いをいただいております。業界ごとに求められる品質があるため、「こんなテストしてますか?」という問い合わせも多くいただいております。なるべくたくさんのお客様に使っていただくために、必要であれば外部機関にテストを依頼したり、自分たちでデータをそろえたりなどして対応しています。そのような中で今回、「太黒門のOddyテストはやっていますか?」という問い合わせをいただきました。

 

Oddyテストってなに?

Oddyテストそのものを知らなかったわれわれ。まずOddyテストってなに?というところから調査を始めました。調べていくと、どうやら美術館や博物館で展示物に害を与えないか調べるテストのようです。1973年に保存科学者 William Andrew Oddyによって大英博物館で作成された手順で、欧米ではポピュラーな判定テストとのこと。なるほど、Oddyさんが開発したテストなんですね。ここからが大変でした。テスト方法の情報も少なければ、試験をやってくれる外部機関もなさそうでした。しかし、太黒門の黒さは美術館や博物館での展示と相性が良いに違いない、ぜひ使っていただきたい。そこで、Oddyテストを自分たちでやってみることにしました。

 

どんな方法?

ではOddyテストとはどんな方法で行えばいいのでしょうか。

英語版のwikipediaではこんな感じ。どうやら、Pb【鉛】、Ag【銀】、Cu【銅】をサンプルと水と密閉して、サンプルから出たガスを当てることで金属が腐食するかどうかチェックする方法のようです。AgはH2Sで黒く変色しますし、Pb【鉛】やCu【銅】も酸化することで変色するので、そのようなガスが発生しないか確認するということですね。

 

実際にやってみた

それでは実際にOddyテストをやってみましょう。

ガラスシャーレにPb【鉛】、Ag【銀】、Cu【銅】と水を入れ、太黒門をセット、密閉します。比較用に同じように金属片と水を入れたシャーレを用意し、太黒門を入れずに密閉します。そして、その二つを60℃の環境試験機に投入。28日後、太黒門有り無しで金属片の色を比べます。

 

合格!

比べてみた結果が以下です。

Pb【鉛】とCu【銅】は若干変色がありましたが、太黒門有り無しで違いはみられませんでしたので、この変色は太黒門の影響ではなく、水や熱の影響でした。Ag【銀】に関しては試験前後での変化もなく、太黒門有り無しでも、違いはありませんでした。

ということで、太黒門有り無しで違いはない→Oddyテストは合格という結果が得られました。

 

美術館や博物館での展示に太黒門はいかがでしょうか

今回Oddyテストで合格という結果を得ることができた世界一黒い布太黒門。その黒さは美術品や工芸品の展示にとても相性がいいと考えています。展示品の美しさを存分に引き出す背景となること請け合いです。全国のキュレーターのみなさま、博物館や美術館などでのご使用いかがでしょうか。太黒門直販ページでA4から販売しておりますので、お気軽にお試しいただけます。また、有効幅1100mmのロール形状の切り売りでも取り扱っておりますので、大面積での使用も可能です。是非、ご検討ください。

また、暗素研の他の素材に関してもOddyテストを行ってほしいという要望がありましたら、実施しますので、ご意見いただければと思います。

 

それでは今回はこの辺で、暗素研のサクライでした。

 

 

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