サイドバーを表示
ダッシュボードマットは熱い?黒布の車内温度をサーモカメラで検証

この記事の結論

・ 黒い布を敷いても、ダッシュボードは熱くなりませんでした。布なし 65.4℃ に対して、無反射植毛布NF は 66.9℃(+1.5℃)。

・ ただし、ダッシュボードマットに遮熱の効果はありません。車内の暑さ対策には、サンシェードなどの日よけを使ってください。

・マットの本来の役目は、フロントガラスへの映り込みを消すことです。

条件:外気温27℃・晴れ・ダッシュボードに1時間放置。当社によるサーモカメラでの簡易検証です。

こんにちは、暗素研のカワサキです。

ダッシュボードの映り込み対策に黒い布を敷くと、「光を吸収するぶん、布が熱くなるのでは?」「車内が暑くならない?」と心配になりますよね。

そこで、ダッシュボードに黒い布を敷いて1時間置き、サーモカメラで表面温度を測ってみました。

映り込みがどれだけ消えるかは、前回の記事「ダッシュボードの反射防止マット|映り込みを消す黒布の効果と作り方」で写真と動画で紹介しています。

検証に使った3種類の黒い布

ダッシュボードの温度検証で使用する3種類の黒い布。左から無反射植毛布、有名メーカー市販品、100円ショップの黒色フェルトが並べられている。

ダッシュボードの映り込み対策には、100円ショップのフェルトから専用の市販品まで、いろいろな布が使われています。今回は代表的な次の3種類を比べました。

ダッシュボード用の黒い布3種類の厚みと反射率。無反射植毛布NFは厚み0.9mm、有名メーカー市販品は0.6mm・反射率1.76%、100円ショップの黒いフェルトは1.2mm・反射率2.16%。
素材 厚み 反射率(400〜700nm の平均)
無反射植毛布NF(当社) 0.9mm 約0.4%
有名メーカーの市販品 0.6mm 1.76%
100円ショップの黒いフェルト 1.2mm 2.16%

反射率は、光をどれだけ跳ね返すかを表す数字で、低いほど映り込みを抑えられます。無反射植毛布NF は、市販品のおよそ4分の1、フェルトのおよそ5分の1です。

3種類の黒い布を並べて肉眼で黒さを比べた写真。無反射植毛布NFがいちばん黒く見える。

検証の方法:外気温27℃のダッシュボードに1時間

2024年5月17日、外気温27℃の晴れた日中(15:00〜16:00)に、埼玉県上尾市で行いました。ダッシュボードに「布なし」と3種類の布の4つのエリアを作り、1時間置いてからサーモカメラで測っています。

検証のセットアップ。ダッシュボードに布なし・無反射植毛布NF・市販品・100円フェルトの4つのエリアを設けている。
サーモカメラで撮ったダッシュボード全体の温度分布。布を敷いた場所だけが極端に熱くなってはいない。

まずダッシュボード全体を見ると、布を敷いた場所だけが極端に熱くなっている、ということはありませんでした。

結果:どの布も、布なしとの差は2℃前後

サーモカメラで測った各素材の表面温度。布なし65.4℃、無反射植毛布NF66.9℃、市販品67.6℃、100円フェルト66.7℃。
条件 表面温度 布なしとの差
ダッシュボード(布なし) 65.4℃ —
無反射植毛布NF(当社) 66.9℃ +1.5℃
有名メーカーの市販品 67.6℃ +2.2℃
100円ショップの黒いフェルト 66.7℃ +1.3℃

直射日光の下では、ダッシュボードは布がなくても65℃まで上がります。黒い布を敷いても、上がったのは1〜2℃ほどでした。

3種類の布どうしの差も1℃以内で、簡易的な検証では「どれがいちばん涼しい」とまでは言えない程度の差です。「黒い布を敷くと極端に熱くなる」という心配は、今回の条件では当てはまりませんでした。

ダッシュボード自体がもともと暗い色で日光を吸収しているため、黒い布を重ねても、吸収する熱はあまり変わらないと考えられます。

検証の様子は動画でもご覧いただけます。

【動画】黒い布で車内温度は上がるのか?
実際の検証の様子はこちらから。

サーモカメラを使い、黒い布を敷いたダッシュボードの温度変化を詳しく解説しています。

暑さ対策・遮熱をしたいなら

ダッシュボードマットは、映り込みを消すためのものです。黒い布に日差しや熱をさえぎる働きはないので、車内の温度を下げる効果は期待できません。

駐車中の暑さ対策には、フロントガラスに付けるサンシェードが向いています。マットは運転中の映り込み対策、サンシェードは駐車中の暑さ対策と役割が違うので、両方を一緒に使えます。

本来の目的:映り込みはここまで消える

ダッシュボードのフロントガラスへの映り込み比較写真。対策前はダッシュボードが白く反射しているが、対策後は黒布によって反射が抑えられ、視界がクリアになっている。

黒い布を敷く前と後で、フロントガラスへの映り込みはこれだけ変わります。型紙の取り方やカットのコツ、タオル・フェルトなどの代用品との違いは「ダッシュボードの反射防止マット|映り込みを消す黒布の効果と作り方」にまとめています。

ご使用にあたっての注意点

※センサー、エアバッグ、吹き出し口などを塞がないように、十分にご注意ください。

※無反射植毛布NF は、自動車の内装材として認可されたものではありません。また防炎素材ではないため、ご使用は自己責任でお願いいたします。

※夏場のダッシュボードのような高温の場所で、のり付きタイプの粘着剤がどうなるかは確かめられていません。のり無しタイプを敷いて使うことをおすすめします。

※水に濡れると跡が残ります。濡れた手で触ったり、水拭きしたりしないでください。

反射のお悩み、ご相談ください

暗素研は、カメラのレンズなど精密な光学機器の世界で培った「反射をなくす技術」を、日常の悩みにも役立てようとしている黒色専門の組織です。

「この布の性能をもっと詳しく知りたい」「ダッシュボード以外にも、こんな反射で困っている」といったご相談は大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

Q. ダッシュボードに黒い布を敷くと、車内温度は上がりますか?

A. 当社の検証では、布を敷いた場所の表面温度は、布なしと比べて1〜2℃ほど高いだけでした(外気温27℃・1時間)。体感できるほどの差ではなく、「黒いから極端に熱くなる」ことはありませんでした。


Q. ダッシュボードマットに遮熱の効果はありますか?

A. ありません。ダッシュボードマットは映り込みを消すためのもので、熱をさえぎる働きはありません。駐車中の暑さ対策には、サンシェードなどの日よけを使ってください。


Q. なぜ無反射植毛布NFは、ほかの布より映り込みが少ないのですか?

A. 細かい繊維が立った構造で光を閉じ込め、反射率を約0.4%(400〜700nm の平均)まで抑えているためです。今回比べた市販品(1.76%)のおよそ4分の1、黒いフェルト(2.16%)のおよそ5分の1です。


Q. のり付きタイプを貼っても大丈夫ですか?

A. 高温になるダッシュボードで粘着剤がどうなるかは確かめられていないため、のり無しタイプを敷いて使うことをおすすめします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関連記事

コメントを書く