【フライバイ探査時の天体追尾】ブラック企業、宇宙へ行く4【宇宙機姿勢決定実験】

みなさま、こんにちは。暗素研のサクライです。
今回は、弊社製品が日本の宇宙開発の一助になっているお話の第四弾になります。 関連ブログは以下のリンクを参照ください。
これまでのブログシリーズは以下のリンクを参照ください。
第一弾 【スタートラッカー】ブラック企業、宇宙へ行く【人工衛星】
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第二弾 【天体望遠鏡】ブラック企業、宇宙へ行く2【迷光防止】
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第三弾 【JASMINEプロジェクト】ブラック企業、宇宙へ行く3【天体望遠鏡の迷光防止】
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番外編:地上で宇宙を再現するなら?無反射植毛布 vs IR1500
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ブラック企業、宇宙へ行く番外編2~「Metal Velvet™【メタルベルベット】」と「IR1500」、宇宙開発用の暗室用途での比較~
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今回、名古屋大学の原先生と名城大学の宮田先生の研究室が行っている実験装置において、弊社の「無反射植毛布」が背景材として採用されていることが分かり、取材に伺わせていただきました。
取材の結果、「フライバイ探査時の天体追尾実験」と「宇宙機姿勢決定実験」という、二つの重要な実験環境で活躍していることがわかりました。 それぞれの実験で、弊社の「黒」がどのように貢献しているのか、詳しく紹介していきたいと思います。
1. フライバイ探査時の天体追尾実験
まず一つ目は、「フライバイ探査時の天体追尾実験」です。
「フライバイ」とは、宇宙探査機が天体の近くを素通りする探査方法のことです。ボイジャー1号が撮影した数々の惑星写真も、このフライバイによって撮影されました。SF小説などでおなじみの、天体の重力を利用して軌道を変える「スイングバイ」もこの一種ですね。
フライバイ探査では、探査機は秒速数十kmという猛スピードで天体の脇を通り抜けます。この一瞬のチャンスに、探査機が自律的にカメラを制御し、ブレることなく天体を捉え続ける技術が求められます。
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研究室では、将来の天体の位置をカメラ画像から推定し、常に画像の中央に天体を捉え続ける高精度な追尾制御の研究をされています。 しかし、ここで課題となるのが「光の重心」と「形の中心」のズレです。天体に光が当たっている部分の「輝度中心」と、実際の天体の「幾何中心」は、影の付き方によってズレが生じます。この誤差は、追尾精度の悪化に直結します。
この誤差を補正するための実験において、弊社の無反射植毛布が活躍していました。 実験では天体を模した対象に、疑似太陽としての平行光のみを当てたいのですが、通常の暗幕では周囲からの反射光が入り込み、正確な画像データが得られず、誤検知の原因となっていました。 そこで、実験装置の周囲を弊社の無反射植毛布で覆ったところ、余計な反射光が極限までカットされ、宇宙空間と同様のクリアな画像データが撮れるようになったとのこと。「対象天体以外も誤検知してしまって困っていたところ、本製品を採用いただいたことで、エラーが減少した」という、非常にうれしいお言葉をいただきました。

2. 宇宙機姿勢決定実験
次に、「宇宙機姿勢決定実験」についてです。
こちらは小型人工衛星の姿勢制御に関する研究です。衛星が今どちらを向いているかを、搭載された太陽電池の発電量から推定する手法です。 衛星の位置と時刻、そして「太陽の方向」と「地球の磁場方向」のベクトルが分からなければ、三次元的に衛星自身の向きを割り出すことができます。
実験では、疑似太陽光として大きな照明を用意し、平行光にするフィルタを通して衛星を模したBOX(実験機)に照射し、太陽電池の発電量を計測します。 この時、背景の暗幕などから光が反射してしまうと、本来の太陽光以外の光まで発電に寄与してしまい、宇宙空間での発電量とは異なるデータになってしまいます。
そこで、ここでも弊社の無反射植毛布の出番です。 実験空間を無反射植毛布で覆うことで、太陽光以外の反射成分を排除し、限りなく宇宙空間に近い光環境を再現していただいています。

終わりに
今回、実際に人工衛星の研究開発の現場で、弊社の無反射植毛布が使われている様子を取材することができました。 「余計な光を消す」という弊社の技術が、遠い宇宙を目指す最先端研究の精度を支えている光景は、とても誇らしいものでした。
引き続き、世界一の「黒さ」に磨きをかけることで、日本の宇宙開発を足元から盛り上げていけたらと考えています。 みなさま、ぜひ応援よろしくお願いします。
それでは今回はこの辺で。 暗素研のサクライでした。

