「黒色無双」開発元が検証!世界一黒い塗料はどれ?

💡 この記事の結論
「世界一黒い塗料」という言葉はよく使われますが、実は紹介するサイトによって反射率の数値がバラバラです。これは測定条件(角度・波長域・測定機器)が統一されていないために起こります。この記事では、Vantablack・Black 3.0、4.0・市販の黒色壁用塗料・真・黒色無双という代表的な「黒い塗料」を、分かっている範囲の情報で公平に比較し、「研究・工業向け」と「実際に購入して使える塗料」を分けて比較します。
対象読者:アート・模型・撮影用に「本当に黒い」塗料を探している方
こんにちは。暗素研の小笠原です。
この記事は、こんな方におすすめです
・Vantablack、Black 3.0など、海外の「世界一黒い」塗料が気になっている方
・国内で実際に購入できる、扱いやすい黒色塗料を知りたい方
・模型・アート・撮影の背景用に、反射を抑えた黒を探している方
・反射率の数値をどう比較すればいいか分からない方
なぜ「世界一黒い塗料」の数字は、サイトによってバラバラなのか?

「世界一黒い塗料」を調べると、同じVantablackでも「反射率0.035%」「反射率0.31%」など、紹介するサイトによって数値が違うことに気づきます。
これは、どのサイトかが間違っているというより、
測定条件(入射角、測定する波長の範囲、使用する測定機器、測定規格)が統一されていないために起きる、よくある現象です。
以前の記事「反射率とは?黒さを決める仕組みをわかりやすく解説」でも触れた通り、
異なる製品同士を正確に比較するには、測定条件(入射角・波長域・積分球の有無など)が揃っている必要があります。
今回の検証も、公表されている数値をできる限り集めていますが、メーカーごとに測定条件が異なる可能性がある前提で読んでいただければと思います。
世界一黒い「物質」:Vantablack(ベンタブラック)
「世界一黒い」という言葉で必ず名前が挙がるのが、イギリスのSurrey NanoSystems社が開発したVantablack(ベンタブラック)です。
2014年のファーンボロー国際航空ショーで登場し、一時期はギネスワールドレコードで「世界一黒い人工物」として認定されたこともあります。カーボンナノチューブを垂直に配列させた構造により、可視光の大部分を吸収します。
公表されている反射率は情報源によって幅がありますが、いずれも極めて低い水準で紹介されています。
ただし、Vantablackは一般的な「塗料」として市販されているものではありません。特殊な製造・蒸着プロセスが必要で、対象物には高い耐熱性が求められるなど、研究・工業・宇宙開発分野での特殊用途が中心です。一般の方が気軽に入手・使用できるものではないようです。
※ちなみに、暗素研の布製品「特級暗黒布 太黒門」(塗料ではなく起毛布)は、可視光域の全反射率0.1%を実現しており、一部で紹介されているVantablackの数値を上回るとされています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。→世界一の黒さ対決!? VANTABLACK vs 太黒門(塗料ではなく生地素材の比較記事です。測定条件も異なるため、単純には比較できませんが詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
「黒い塗料」として実際に購入できる製品を比較する

Vantablackのような特殊素材とは別に、「塗料」として実際に購入・使用できる黒色塗料もいくつか存在します。代表的なものを、公表されている情報の範囲で比較しました。
| 製品 | 開発・販売元 | タイプ | 容量・購入方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Black 3.0 / Black 4.0 | Culture Hustle(英国) | アート用マット塗料 | 150mL/海外からの輸入(送料が別途かかります) | Vantablackに対抗する形で開発された、アーティスト向けの黒色塗料。Black 4.0はさらなる改良版 |
| 市販の黒色壁用塗料 | 国内塗料メーカー | 水性壁面塗料 | 2L(大容量タイプ) | 壁紙の上から塗れるマット水性塗料シリーズの黒色。公表反射率は平均値1.66% |
| 真・黒色無双 | 暗素研(国内) | 水性アクリル塗料 | 100mL(価格は製品ページをご覧ください) | 筆塗りで反射率1.1%以下、エアブラシ塗装で0.6%以下。模型・アート・撮影用途で使用実績あり |
※各製品の反射率・吸収率は、各社が公表している情報を基にしています。測定条件が完全に一致しているとは限らないため、数値の大小だけで単純比較できない点にご留意ください。各製品の価格・在庫は変わるため、最新の情報は各社の公式ページでご確認ください。
ここで、意外な事実を1つご紹介します。弊社が2019年に行った検証では、「世界で最も黒い」と紹介されているBlack 3.0を、日本国内で定番の安価なアクリル絵の具と比較したところ、国内の定番品の方が黒く見えるという結果になりました。
海外で高い評判を得ている塗料が、必ずしも黒さの面で国産の定番品を上回るとは限らない、という一例です(その後継であるBlack 4.0については、次項で改めて比較しています)。
また、Black 3.0の後継であるBlack 4.0と、弊社の真・黒色無双を刷毛塗り・エアブラシ塗装の両方で比較検証したところ、真・黒色無双の方が黒いという結果になりました。詳しい検証の様子は、こちらの記事でご覧いただけます。

→【黒さ対決】世界一黒い塗料はどっち?BLACK4.0 vs 真・黒色無双
真・黒色無双は、暗素研が独自に開発・製造している水性アクリル塗料です。筆塗りでも反射率1.1%以下、エアブラシ塗装であれば0.6%以下という低反射性能を実現しており、模型・ホビー・アート制作、撮影の背景づくりなど、幅広い用途でご利用いただいています。これまで弊社が実際に検証してきた水性塗料の中では、真・黒色無双が最も黒いという結果が出ています。(自社調べ)
世界最黒の塗料
真・黒色無双
用途別:どの黒を選べばいいか

公表されている反射率だけで見ると、真・黒色無双(0.6〜1.1%)は市販の黒色壁用塗料(平均値1.66%)よりも黒いという結果になります(各社公表値ベース、測定条件は完全には一致しない可能性があります)。ただし、単純な黒さの比較だけでなく、どんな対象に塗るかによって向き不向きが分かれます。用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
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市販の黒色壁用塗料:壁紙の上からそのまま塗れる壁用塗料で、広い面積を一度に塗るのに向いています。撮影スタジオの壁面や、暗室のような大きな空間を黒くしたい場合に適した選択肢です。
- 真・黒色無双:小型で精密な対象への使用が中心ですが、壁面に使用される例もあります。ただし塗膜の耐久性は市販の壁用塗料ほど高くないため、人がよく触れる場所に使う場合は注意が必要です。
コスパ良く壁面を塗装したい場合には市販の黒色壁用塗料、
圧倒的な黒さが欲しい場合には黒色無双、など。
※塗料ではありませんが、壁面を黒くしたい場合には無反射植毛布という布を壁に貼る事例もあります。
光を吸収する布
無反射植毛布
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研究・工業・特殊な光学用途で、コストや取り扱いの制約を許容できる方:Vantablackのような特殊素材が候補になりますが、入手性・取り扱いのハードルが高い点は理解しておく必要があります。
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模型・ホビー・アート作品など、扱いやすさと黒さのバランスを求める方:真・黒色無双のような、筆やエアブラシで手軽に扱える水性アクリル塗料が向いています。
よくある質問
Q. 結局、世界で一番黒い塗料はどれですか?
「物質」としての黒さでは、Vantablackが最も低い反射率として紹介されることが多いですが、一般に購入・使用できる「塗料」という条件で見ると話は変わります。
弊社が実際にBlack 4.0との比較検証を行った結果では、真・黒色無双の方が黒いという結果が出ています(自社調べ)。
Q. Vantablackは自分で購入して塗れますか?
一般消費者が気軽に購入・施工できる製品ではありません。特殊な製造プロセスや、対象物の耐熱性など条件があり、主に研究・工業分野での利用が中心です。
Q. 黒色無双は、どんな人に向いていますか?
模型・ホビー製作、アート作品など、筆やエアブラシで手軽に「反射を抑えた黒」を表現したい方に向いています。
まとめ:「世界一黒い」は、何と比べるかで変わる
「世界一黒い塗料」という言葉は分かりやすいキャッチコピーですが、実際には測定条件によって数値や見え方が変わる、という前提を知っておくと、各社の製品をより冷静に比較できるようになります。研究・工業向けの特殊素材と、実際に手に取って使える塗料は、そもそも比較の土俵が違う、という点も大事な視点です。
暗素研の「真・黒色無双」は、実際に筆やエアブラシで塗装して使える、扱いやすい黒色塗料の中でトップクラスの低反射性能を目指して開発しました。模型・アート・撮影用途で「黒」にお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。
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※本記事で紹介した各社製品の反射率・吸収率は、各社が公表している情報に基づいています。測定条件(入射角・波長域・測定機器等)は製品・情報源によって異なる可能性があるため、正確な比較には各社の公表資料をあわせてご確認ください。真・黒色無双に関する数値は、暗素研の自社測定によるものです。




