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【光学機器の迷光対策】反射防止部材の選び方

ひとくちに「黒い素材」といっても、起毛(植毛)タイプ、シート状、塗料など選択肢はさまざまで、それぞれ得意な領域が異なります。
特に精密光学系やクリーン環境では、単に反射率が低いだけでなく、発塵の少なさや薄さ、組み込みやすさまで含めて総合的に判断しなければ、現場で「使えない」部材になってしまいます。

この記事は、カメラ・センサー・計測機器の光学設計や生産技術に携わる方に向けて、反射防止部材を選ぶ際の判断軸を、実際の引き合いでいただくご相談内容をもとに整理したものです。

【結論】光学機器内部の迷光対策で見るべき5つのポイント
①光吸収性能(使用波長での全半球反射率)
②発塵の少なさ
③薄さ
④加工性
⑤耐久性

当社のファインシャットシリーズは、3つのグレードからの選び方しだいで、この5点を両立しやすいシート状の反射防止部材です。
迷ったときは「使用波長」と「発塵の許容度」の2つから絞り込むと、候補は一気に狭まります。

迷光とは?光学機器で問題になる理由

迷光(ストレイライト)とは、光学機器の内部で本来の光路から外れ、センサーや観察面に到達してしまう不要な光のことです。

カメラ、顕微鏡、レーザー加工機、分光装置、LiDAR、半導体検査装置──。
これらの光学機器は、光を正確に導き、正確に受け取ることで初めて設計どおりの性能を発揮します。
ところが実際の筐体内部では、鏡筒の内壁やホルダーの縁、ビス(ネジ)の頭、フレキシブル基板(FPC)など、あらゆる部品で光がわずかに反射します。
この光がセンサー面に回り込むと、コントラスト低下・ゴースト・フレア・S/N比の悪化といった形で、画質やセンシング精度を低下させます。

「レンズ設計は完璧なのに暗部が締まらない」
「黒く塗装したはずの部品からゴーストが出る」
「照度を上げても測定値のばらつきが減らない」

こうした症状の多くは、光学設計そのものではなく、筐体内部の反射処理に原因が隠れています。
さらに厄介なのは、反射だけを抑えようとして選んだ部材が、今度は発塵という別の不具合を持ち込み、レンズやセンサーへの異物付着として歩留まりを下げてしまうケースです。
反射対策は、常に発塵性・薄さ・耐久性とのトレードオフの中で考える必要があります。

迷光はどこで生まれる?3つの発生源

迷光の発生源は、大きく3つに分けて考えると整理しやすくなります。

①構造面での反射
鏡筒内壁、絞りやホルダーの端面、ビス頭、バネやワッシャーの金属光沢。
設計図では「黒い部品」でも、実物は樹脂のツヤや切削面の光沢で予想以上に光を返します。

②部材表面での散乱
黒塗装や黒アルマイトでも、表面粗さによって拡散反射(散乱)が残ります。
目視で黒く見えることと、光学的に光を返さないことは別の話です。

③多重反射
一度だけなら無視できる弱い反射でも、内壁とカバーガラスの間などで往復すると、センサー面に到達する光量が積み上がります。

このうち②と③は、内壁に低反射部材を貼るだけで大きく改善できる領域です。
逆に①は形状設計(遮光環・バッフル)と併用しないと解決しにくく、部材だけに頼らない判断も必要になります。

カメラのレンズフードの内側。右半分にファインシャットを貼った部分は黒く沈み、貼っていない左半分は内壁が光を反射して白っぽく光っている。

レンズフードの内側。右半分にファインシャットを貼った状態。
黒い部品でも、貼っていない左半分は内壁が光を返している

反射防止部材に求められる5つの性能

光吸収性能──どこまで「黒く」すべきか?

迷光対策の基本は、不要な光を吸収して反射させないことです。
ここで指標になるのが反射率で、部材に入射した光のうちどれだけが戻ってくるかを示します。

迷光対策で重視すべきは、鏡面的に跳ね返る正反射だけでなく、拡散反射も含めた全半球反射率(拡散反射+正反射)です。
この値が低いほど、あらゆる方向に散る迷光を減らせます。

選定の場面で混同されやすい用語を、先に整理しておきます。

正反射(鏡面反射):鏡のように入射角と同じ角度へ跳ね返る成分。ツヤのある黒色塗装で問題になりやすい成分です。

拡散反射:表面の微細な凹凸により、さまざまな方向へ散る成分。つや消し黒でも残り、内部で多重反射の種になります。

全半球反射率:上記2つを合わせた、戻ってくる光の総量。迷光対策では、この値で比較するのが実務的です。

BRDF(双方向反射率分布関数):どの方向から入った光が、どの方向へどれだけ返るかを表す分布。厳密な迷光解析で用いられます。

反射光の振る舞いは入射角によっても変化します。浅い角度で光が当たる内壁やバッフルでは、正面付近で測った反射率が低くても迷光が残ることがあります。
カタログの数値を比べるときは、「どの反射を、どの波長で、どの入射角で測った値か」がそろっているかを確認してください。定義が違う値同士を比べても、選定の判断材料にはなりません。

反射率の仕組みは、こちらの記事で詳しく解説しています。

反射率とは?黒さを決める仕組みを分かりやすく解説

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反射率とは?黒さを決める仕組みを分かりやすく解説

※本記事で紹介する反射率について
本記事の反射率は、分光光度計と積分球を用い、入射角8°で拡散反射と正反射を合わせた全半球反射率として測定した代表値です(保証値ではありません)。当社製品は外部試験機関(都産技研)での測定値、他社製品は当社で入手して同じ条件で測定した参考値です。

発塵の少なさ──クリーン環境での必須条件

光学機器の内部、特にレンズやセンサー周辺は、わずかなホコリや繊維の付着で性能を損ないます。
イメージセンサーに付着した異物が光を遮り、黒い点や影として画像に写り込む。可動部に噛み込んで動作不良を起こす。こうしたトラブルは、組み立て工程だけでなく出荷後の振動や経年でも発生します。
起毛素材(植毛布など)は光吸収性に優れる一方、使用中に毛が抜けたり、摩擦で繊維が飛散したりするリスクがあり、クリーン環境では敬遠されがちです。

ファインシャットシリーズは起毛タイプではなくシート状の素材のため、繊維の脱落が原理的に起きにくく、発塵が極めて少ないのが特長です。
この低発塵性から、クリーンルームや精密機器内部の部材として、光学機器メーカーやセンサーメーカーに採用されています。第三者機関による発塵量の定量測定でも、ファインシャット極XXの発塵量は静電植毛品(無反射植毛布NF)と比較して約1/7(試験体の面積換算後の数値)という結果が出ています。

暗素研のファインシャットシリーズの表面を200倍に拡大した電子顕微鏡写真。光を内部に閉じ込める、微細な多孔質構造がはっきりと見える。

ファインシャットの表面を200倍に拡大した電子顕微鏡写真。
毛ではなく、微細な多孔質構造で光を閉じ込める

見落とされやすいのは、発塵が問題になるのは組立時だけではないという点です。
出荷後の輸送振動、可動部(ズーム・フォーカス・シャッター)の摺動、温湿度サイクルによる部材の伸縮でも、繊維や粉体は少しずつ発生します。市場での「画像に黒点が出る」という不具合は、こうした経時的な発塵が原因になっていることがあります。
また、光学機器内部は密閉に近い空間のため、いったん発生した異物は外に出ていきません。
「発生させない」設計のほうが、清掃工程を増やすより確実です。

薄さと加工性──限られたスペースでの使いやすさ

光学機器の内部は、部品が高密度に配置されています。
鏡筒とセンサーの隙間、フレキやコネクタの陰など、反射源になりやすい場所ほどスペースに余裕がありません。
そのため反射防止部材には、できるだけ薄く、貼り付けや組み込みが容易であることが求められます。厚い部材は光路を遮ったり組立公差を圧迫したりして、かえって設計を難しくします。

ファインシャットは厚みが0.22mm〜と非常に薄く、狭いスペースにも対応できます。
粘着剤付き/なしを選べるほか、部品形状に合わせた形状カットも可能で、量産現場での扱いやすさまで含めて設計に落とし込めます。

よくいただくご相談は、
「手切りのため、形が安定しない」
「形状が複雑で加工が難しい」
といった内容です。
あらかじめ形状に合わせてカットした状態で納品すれば、作業者による差がなくなり、貼り付け工数も短縮できます。

ファインシャットとIR1500を金属パーツの形状に合わせてレーザーカットした加工例。左が元の金属パーツ、中央と右が同じ穴位置でカットした黒いシート。

金属パーツ(左)の形状に合わせて、ファインシャットとIR1500をレーザーカットした加工例

0.1mm単位の精密カットサービス

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0.1mm単位の精密カットサービス

なお、必要な吸収性能は用途によって変わります。
可視光だけでなく近赤外域まで吸収が必要なセンサーもあれば、コストとのバランスで中程度の吸収率で十分な場合もあります。
「とにかく黒いもの」ではなく必要性能を見極めることが、過剰品質とコスト増を避ける近道です。

黒色塗装・黒アルマイトで十分?現場で起きやすい3つの失敗

反射対策がうまくいかない事例には、共通するパターンがあります。

失敗①「黒く塗ったから大丈夫」と考えてしまう
黒色塗装や黒アルマイトは、可視光では黒く見えても数%〜十数%の反射が残ることがあり、赤外域では反射率がさらに上がる場合もあります。目視ではなく数値で確認することが前提です。

失敗②可視光の数値だけで選んでしまう
LiDARやIRカメラのように使用波長が赤外の機器では、可視光の反射率が低い素材を選んでも迷光が残ることがあります。判断は使用波長での値で行ってください。

失敗③反射だけを解決して、別の不具合を招く
吸収性能だけで起毛素材を選び、発塵でエラーを起こしてしまう。厚い部材を貼って組立公差を圧迫してしまう。光吸収性能だけでなく、発塵・厚み・耐久性は同時に見る必要があります。

試作・検証段階で性能を比較しておくと、後戻りを避けられます。

ファインシャットシリーズが選ばれる理由

ファインシャットシリーズは、低反射・低発塵・薄さ・加工性を兼ね備えたシート状の光吸収素材です。ここでは、選定の際に特に評価いただいている3つの特長を紹介します。

用途で選べる3つの光吸収グレード

ファインシャットシリーズには、反射率の異なる3つのグレードがあります。

ファインシャットSP
全半球反射率1.2〜1.4%(550〜1500nm)。必要十分な吸収性能とコストのバランスを重視する、一般光学機器や産業用カメラ向けです。

ファインシャット極
全半球反射率0.7%(550〜1500nm)。SPより一段低い反射率で、可視から近赤外まで波長による差がありません。

ファインシャット極XX
全半球反射率0.5〜0.6%(550〜1500nm)。シリーズで最も反射率が低い最上位グレードで、厳しい迷光対策が求められる高精度センサーなどに適しています。

ファインシャットシリーズの全半球反射率(入射角8°)
グレード 550nm 950nm 1500nm
ファインシャットSP 1.2% 1.2% 1.4%
ファインシャット極 0.7% 0.7% 0.7%
ファインシャット極XX 0.5% 0.6% 0.6%

用途ごとのグレード選定の目安は以下のとおりです。

用途別の推奨グレード
用途の例 推奨グレード 選定の目安
産業用カメラ・一般光学機器 SP コストと性能のバランスを重視
計測機器・LiDAR・IRカメラ 極 可視〜近赤外で反射率が一定
高精度センサー・天体望遠鏡 極XX シリーズ最小の反射率が必要

最終的なグレードは、使用波長と許容できる迷光レベルによって変わります。判断に迷う場合はご相談ください。

赤外域まで対応──センシング用途にも強い

近年のセンシング技術では、可視光だけでなく近赤外(NIR)や短波赤外(SWIR)を使う用途が増えています。可視光で黒く見える素材でも、赤外域では反射率が上がってしまう材料は少なくありません。
ファインシャットシリーズは赤外域でも低い反射率を保つため、LiDARセンサーやIRカメラ、NIR分光装置などの内部部材としても採用されています。

たとえばLiDARでは905nm帯や1550nm帯が使われ、生体・食品向けの分光装置では1000〜1700nm帯を扱うことがあります。
いずれも人の目には見えない波長のため、「見た目の黒さ」では判断できません。
カタログに近赤外域の値が記載されているか、使用波長のデータを出してもらえるかが、部材選定の実質的な分かれ目になります。
ファインシャットシリーズは550nm/950nm/1500nmの3波長で値を公開しており、1550nmなどそれ以外の波長についても測定のご相談を承っています。

下のグラフは、ファインシャットシリーズ3グレードの反射率を、可視光から近赤外まで(250〜1500nm)比較したものです。
黄色の線は、可視光用の植毛布(無反射植毛布NF)です。可視光では0.3〜0.5%と非常に低い反射率ですが、700nmを超えると急に上がり、1250nmでは約58%に達します。
紫の線は、市販の黒アルマイト処理アルミ板です。可視光では5〜6%ですが、700nmを超えると急に上がり、950nmで約75%、1500nmでは約87%に達します。可視光で黒い素材が、近赤外でも黒いとは限らないことが分かります。


グラフにカーソルを合わせる(スマホはタップ)と、その波長の反射率が表示されます。横にドラッグすると拡大できます。縦軸は対数目盛です。
反射率は外部試験機関で測定した全半球反射率(入射角8°)の代表値であり、保証値ではありません。250~2500nmを5nm刻みで測定した実測データのうち、250~1500nmを25nm間隔で描画しています。他社製品は、当社で入手して同じ条件で測定した参考値です。

近赤外で使える素材は、ファインシャットシリーズのほかにも植毛布・布・塗料があります。
4つの素材を波長別の反射率(250〜2500nm)で比べられるページをご用意しています。使用波長から素材を選びたい方は、あわせてご覧ください。

近赤外センサー用資材|波長別の反射率で選ぶ

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近赤外センサー用資材|波長別の反射率で選ぶ

耐久性──耐接触性・耐水性にも優れる

光学機器は組み立てやメンテナンスの際に、部材が工具や指、他の部品と接触したり、清掃で拭かれたりします。
起毛素材では一度倒れた毛が戻らず性能が落ちることがありますが、ファインシャットSPは表面が傷つきにくく、軽い拭き取りにも耐える耐接触性を備えています。極・極XXは表面の微細な溝構造の奥にホコリが入りやすく、強く押すと跡が残ることがあるため、接触や清掃が多い箇所ではSPをおすすめします。
また、SP0.4と極XXは耐水性を備え、結露や湿気の多い環境でも使用できます。汚れは中性洗剤を泡立てた水洗いで落とせます。なお、エタノールなどの有機溶剤で拭くと膨潤・変形するため、清掃・脱脂には使わないでください。

ファインシャットシリーズの耐接触性・耐水性を示すデモ動画

この耐接触性・耐水性を活かし、レーザー加工機によるマーカー制作も承っています。
マーカーについては、こちらの記事をご覧ください。

ARマーカーが認識しない原因は”反射”だった

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ARマーカーが認識しない原因は”反射”だった。無反射マーカーで検証

起毛素材・塗料とはどう使い分ける?

近赤外も吸収する反射防止材として広く使われる、弊社の近赤外吸収植毛布IR1500とファインシャットシリーズを比較すると、以下のような違いがあります。どちらが優れているというより、環境と要求性能によって最適解が変わると捉えるのが実務的です。

ファインシャットシリーズと近赤外吸収植毛布IR1500の比較
項目 ファインシャットSP ファインシャット極XX 近赤外吸収植毛布IR1500
全半球反射率(%)
550nm / 950nm / 1500nm
1.2 / 1.2 / 1.4 0.5 / 0.6 / 0.6 0.3 / 0.3 / 0.5
発塵性 極めて少ない 極めて少ない 毛羽立ち・抜け毛のリスクあり
厚み 0.22mm・0.40mm 0.71 (テープ付) 0.8mm
耐接触性 ○ △ ○
耐水性 ○ ○ ×

反射率の数値だけを見ればIR1500が最も低くなります。一方で、発塵を許容できない光学機器内部や、薄さ・耐接触性が求められる部分には、ファインシャットシリーズが適しています。極XXを選べば、低発塵のまま0.5〜0.6%まで反射を抑えられます。
大面積の背景布や、清浄性をさほど問わない一般環境では、IR1500も有力な選択肢です。

なお、弊社の塗料「真・黒色無双」と「黒色無双IR」もよく比較対象になります。
どちらも複雑形状や大型部品へ塗装しやすい一方、塗膜が弱く接触に向かないこと、膜厚のばらつき、治具のマスキングが課題になります。

2つの塗料は、得意な波長が異なります。
真・黒色無双は可視光に特化した塗料です。550nmでは0.6%と低い反射率ですが、近赤外では反射率が上がり、1500nmでは10.7%になります。
黒色無双IRは、可視光から近赤外まで2%台の反射率をほぼ一定に保つ塗料です。LiDARやIRカメラなど、近赤外を使う機器の複雑な形状の部品には、黒色無双IRが適しています。

塗料2種の全半球反射率(入射角8°)
塗料 550nm 950nm 1500nm
真・黒色無双 0.6% 2.0% 10.7%
黒色無双IR 2.4% 2.5% 2.5%

※真・黒色無双はエアブラシで塗装した試料の値です。
※黒色無双IRはリスト規制該当製品のため、輸出には対応していません。

IRカメラで撮影した比較写真。左側は暗素研の黒色無双IRが塗布されており、近赤外線を吸収して黒く見えている。右側は塗布されておらず、近赤外線を反射して白く写っている。

左半分に黒色無双IRを塗った試料(左:可視光カメラ、右:IRカメラ)。
塗った部分は近赤外でも黒く写り、塗っていない部分は白っぽく写る

世界一黒い水性アクリル塗料【真・黒色無双】

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世界一黒い水性アクリル塗料【真・黒色無双】

近赤外まで反射を抑える黒色塗料【黒色無双IR】

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近赤外まで反射を抑える黒色塗料【黒色無双IR】

よくある質問(FAQ)

Q

ファインシャットの3つのグレードは、どう選べばよいですか?

A

迷光対策の厳しさとコストのバランスで選びます。高精度センサーや天体望遠鏡など、極限まで反射を抑えたい場合は「ファインシャット極XX」が適しています。一般的な産業用カメラや計測機器では「ファインシャットSP」や「ファインシャット極」でも十分な性能が得られることが多く、コストを抑えられます。用途に応じてご相談ください。

Q

起毛素材(植毛布)とファインシャットシリーズ、どちらを選ぶべきですか?

A

クリーンルームや光学機器内部など、発塵を許容できない環境ではファインシャットシリーズが適しています。一方、背景布や大面積の迷光対策で発塵の心配が少ない場合は、起毛素材も選択肢になります。薄さ・赤外域対応・耐接触性も判断基準になります。

Q

黒色塗装や黒アルマイトとは、何が違いますか?

A

黒色塗装や黒アルマイトは目視では黒く見えても、可視光で数%〜十数%の反射が残ることがあり、赤外域ではさらに反射率が上がる場合があります。ファインシャットシリーズは550nm・950nm・1500nmのいずれの波長でも、全半球反射率0.5〜1.4%を維持します。

Q

905nmや1550nmのLiDARにも使えますか?

A

LiDARで使われる905nm帯・1550nm帯に近い950nmと1500nmで、全半球反射率0.6〜1.4%の値を公開しています。1550nmなど公開値以外の波長については、測定のご相談を承っています。

Q

アウトガスや耐熱性、使用温度範囲は確認できますか?

A

標準的な使用温度範囲は−20〜+80℃です。アウトガスや真空・薬品適性など、環境によって確認すべき項目が異なる場合は、用途をお知らせいただければ個別にご案内します。お問い合わせフォームからご相談ください。

Q

部品の形状に合わせたカットや、粘着加工はできますか?

A

粘着剤付き・なしを選べるほか、0.1mm単位の精密カットサービスで部品形状に合わせた加工も承っています。手切りによる形状のばらつきをなくし、貼り付け工数を短縮できます。

Q

少量から試せますか?サンプルはもらえますか?

A

無償サンプルはご用意していませんが、245mm×200mmなどの小サイズからご購入いただけるため、試作や評価用途にもご利用いただけます。

まとめ──光学機器の性能を守るために

光学機器の反射防止部材選びでは、光吸収性能・発塵の少なさ・薄さ・加工性・耐久性の5つの観点が重要です。
加えて、使用波長(可視/赤外)まで含めて必要性能を見極めれば、過剰品質を避けつつ確実に迷光を抑えられます。ファインシャットシリーズは、これらをいずれも高い水準で満たす、精密光学系やセンサー周辺向けの反射防止部材です。

3つのグレードから選べる自由度、クリーン環境への適合性、赤外域までの吸収性能──
ファインシャットシリーズは、光学技術者の要求に応える反射防止部材です。

迷光対策に悩んだら、まずはファインシャットシリーズの各グレードを比較検討してみてください。

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